2016年7月23日土曜日

動乱の世の中を乗り切るために


一番てっとり早いのは、佐藤優の本を読みあさることです。


例えば「世界史の大転換」



この本は、元外交官だった佐藤さん(ロシア専門)と宮家さん(アラブ専門)の、知力の粋を集めた対談集ですが、今、激動の時代をどう読み解いて、どう乗り切っていくのか。世界に補助線を引く方法と考え方が載っています。


他には、今読みかけている本ですが「知性とは何か」。





佐藤さんが恐らく全ての本で説いているのは、「知性を備えて世の中を見よ。そして自分で考えよ」ということなんだと思います。


佐藤さんは元外交官、そして恐ろしいくらいの勉強家で、しかも読書を通じて得た知識と思考を、自由自在に操って世の中を見るためのフィルターとして、昇華されている。


立花隆がサイエンス分野の知の巨人であれば、佐藤優は人文学分野の知の巨匠でしょう。



他にも佐藤さんの本は何冊も読んでいますが、正直新書でこれらのコンテンツを手に入れられるのは、恐ろしいくらいにコスパがいいです。というか安すぎ。



多くの人が「これからの世の中はどうなっていくのか」ということを、国内外の事案を問わず懸念していると思いますが、変な上方に踊らされている時間があるなら、佐藤優の本を片っ端から読んで、自分の血肉にしたほうがいいです。



こういう内容は、大学に行っても学べないんじゃないでしょうか。

自分で何が必要かを考えて行動する。



その時点で、既に格差は生まれているのかもしれません。


ポケモンGOなんてしてる場合じゃないですよ(笑)








2016年7月17日日曜日

旅行中の読書記録(2)

今回はロシア関連をラインナップ。といっても、自分の中でロシアといえば佐藤優と米原真理なので、このお二方の本だけをむさぼり読みました。


<一冊目>不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か(米原真理)


新品価格
¥562から
(2016/7/17 15:53時点)



ロシア語同時通訳者でありエッセイスト・小説家であった米原さんの代表作。


20年前の著作でありながらも、この本に書かれている通訳という仕事の楽しさ大変さ、そしてそこから展開される通訳理論、言語学的視点は今でも十分通用します。

(大学の時に言語学を勉強していたので、その時にこの本に出逢っておきたかったとは思います)


通訳のみならず翻訳に興味がある人も、是非読んで頂きたい一冊。


米原さんは既に故人となっていますが、こんな大きな存在が早く旅立ってしまうのは世の定めなのでしょうか。


今の日本でブランディングしている翻訳者のつまらない理論や話を聞くなら、この本を読んでプロ中のプロからエッセンスを汲み取るほうがはるかに価値が高いです。



<二冊目>偉くない「私」が一番自由(米原真理:佐藤優編)


新品価格
¥778から
(2016/7/17 15:58時点)


米原さんの様々な著作を佐藤さんがアラカルトで選出して提供する、一風変わった本。キュレーション作品といったところか。

この一冊で、米原さんの根底にある思想と哲学は一通り理解できます。


米原さんの作品を全て読む時間がない人にオススメの一冊。


<三冊目>オリガ・モリソブナの反語法(米原真理)


新品価格
¥810から
(2016/7/17 16:00時点)

米原さん唯一のフィクション作品(実体験をベースにした推理風小説)



スターリン時代のソ連で行われた粛清の話など、描写がえげつない&グロい部分も多くあるし、下ネタも結構出てきますが、伏線が伏線を呼び、それを1つずつ紐解いて行くプロセスはただただ脱帽するばかり。

よくこんな小説を書けるな…と、唸ってしまいます。


米原さんを知るためのマスト作品は、上述の「不実な…」とこの「反語法」の二冊でしょう。


ただこの本は、旧ソ連や共産圏の歴史や文化に片足を突っ込んでいないと、分かりづらい部分が多いかも。僕はポーランドに関わって「カティンの森」を見たことがあるので、容易に想像しながら読み進めることができました。


<四冊目>自分を動かす名言(佐藤優)


新品価格
¥1,620から
(2016/7/17 16:05時点)


大変な時に支えてくれるのは、過去の偉人の名言であることが多い。


この本では佐藤さんが、様々な人生の要素に対して偉人の名言を紹介しながら、それらに対して彼なりの解説を付けています。


自分も、自分より偉大な存在に学びたいとは常日頃から思っている身なので、こういう本を通して少しでも似た考え方を持っている人の存在を知ることが、人生の糧になっているのは間違いありません。


そこら辺に転がっている玉石混淆の言葉に触れるのは真贋の区別に多大なエネルギーが取られて非効率的なので、この本一冊を手元にバイブルとして持っておくのがいいと思います。




旅行中の読書記録(1)

今回のユーラシア横断中は、本を沢山読み進めました。


この旅行ではロシアに行く、ということでロシアに縁のある本も読んだのですが、それは第二回目に記録するとして、


第一回目では、それに関係の無い本を紹介します。



<一冊目>悩みどころと逃げどころ(ちきりん、梅原大悟)




まずはこれ。


以前から気になっていた本で、今回中国に行く飛行機の中で読み終えました。


ちきりんさんと梅原さん、驚くくらいに考え方が対極にあって、これほど価値観が違う人どうしが対談できるんだな、ということに驚きました。


一番印象に残っているのは、梅原さんがアマチュアゲーマーからの質問を受けるときに感じた日米の差。


日本人は「どうやったら強くなれるか」という質問をするのに対して、アメリカ人は「自分は梅原さんを真似てこういう方法でやっているのだけど、どうしても上達しない。恐らくこういう部分に差があると思うのだけど、どう思うか」という質問をするよう。


この時に、自分が以前から持っていた疑問が氷塊しました。


色んな日本人と話をするけれど、あまり話の内容に深みがない。その人の思考とか思想が現れていないように感じることが多かったのですが、恐らくその薄っぺらさって、この日米の差そのものなんじゃないかと思いました。


この本は教育に関しての本ですが、学校教育だけじゃなくて社会教育についても触れているので、若い人、子どもさんを持っている親御さんは読まれることをオススメします。



<二冊目>未来予見(原田翔太、浜田和幸)



憧れてやまないハラショーの電子書籍二作目。


「未来を自分の手中に収める」という内容で書かれていますが、そのコンテンツの多くは歴史、特に現在の世界情勢と少し前の歴史を見つめながら、今後の世の中の動向を考えるというもので、現代社会を読み解く力の必要性をも教えてくれます。


誤字脱字が散見されるのが残念でしたが、内容は骨太。


最近僕はサイエンス分野に入り浸っていたのですが、ヨーロッパに移ることもあって、改めて世界史と日本史も勉強し直さないといけないな、とこれを読んで思いました。


<三冊目>小商いのはじめかた(伊藤洋志)



新品価格
¥1,512から
(2016/7/17 15:30時点)


「ナリワイを作る」「フルサトを作る」でおなじみ伊藤さんの本。これら三冊で一つ、と考えるのがいいですが、この「小商い」は、理論ではなく実践編の色合いが濃く、様々なケーススタディが載せられています。


ただ、内容自体目新しいものはなく、個人的には「ナリワイ」と「フルサト」の二冊で思想のエッセンスを抽出して、実際にスモールビジネスに取り組んでみるのが一番手っ取り早いかと思います。


この「小商い」は、あくまで副読本の立ち位置で読めば十分かと。



<四冊目>はじめての構造主義(橋爪大三郎)


新品価格
¥777から
(2016/7/17 15:33時点)


去年の秋口に買って途中でほっぽり出していたのを読破。


ここに出てくるフーコーやロランバルト、ソシュール、そしてクロード=レヴィストロースらは大学の時に一通り勉強したので、内容そのものは自分にとっては復習に違いのですが、


今の世の中を考えるのに、構造主義やポストモダンの思想は持っておかないといけないと思います。世界情勢、特にヨーロッパ情勢を考える際に、根本にあるのはモダニズムとポストモダンなので、「どういう思想が社会に存在するのか?」ということを知るのには良い本だと思います。



<五冊目>右肩下がりの君たちへ(佐藤優ほか)


新品価格
¥1,058から
(2016/7/17 15:37時点)


自分のなかでロシア=佐藤優、という構図が出来上がってしまっているのですが、彼と若者代表(古市憲寿、木村草太、萱野稔人ら)との対談集。


個人的に興味深かったのは、萱野さんとの対談で出てきた、現代の結婚を考えるのに前述のレヴィストロースの「女性の交換」を持ち出したこと。この発想はいままでなくて、自分は民法的視点、契約という視点でどう考えるか、というのは持っていただけでした。


レヴィストロースの考え方を持ち出すことに抵抗を覚えるとは思いますが、こういう考え方がモダニティやポストモダンに影響を及ぼしていることもあるので、前述の「構造主義」の本も合わせて読んでおいたほうがいい、と僕は思ったのです。


こういう思想を知っているかどうかだけでも、世の中の言説に対するレゾリューション(解像度)が異なってきます。


それにしても改めて、佐藤優はどれだけ勉強してるんだ、と思えるほどに巨大な存在であることを気づかされました。


<六冊目>ゼロ(堀江貴文)




新品価格
¥1,512から
(2016/7/17 15:45時点)


以前から気になっていた一冊。行きの機内で読了。


ホリエモンの率直な意見を知ることが出来きたのが収穫。あれだけエッジの利いたことをズバズバ言っているホリエモンも、こんなに弱い部分を持っているんだなあ、ということを知ることができた。


ところで、佐藤優にしてもホリエモンにしても、刑務所の中でひたすら本を読んで自分の頭を耕していたのには頭が下がります。



今回、僕も10冊を超える本を読んだわけですが、それでも彼らには到底及ばないですよ…





2016年7月16日土曜日

誰でも行ける場所に価値はない


ロシアはモスクワにやってきましたが、



見事に日本人をみかけません。


韓国人と中国人の団体はクレムリンでも見かけたし、
中の教会の説明資料も、中国語と韓国語はあるのに日本語はない…



まあ、中韓のロシア事情は知りませんが、


日本の場合、旅行するにもビザが要りますからね。




これが、「ロシアに行く」ことのハードルを挙げているのは間違いありません。




でも、ロシアに来て本当に良かった。



モスクワは思っていたより都会だし、綺麗だし(笑)




たぶん、ビザを取って、列車のチケットも全て取って、ということをしたからこその感慨もあるのだと思います。

(ちなみに、全て旅行代理店にしてもらいましたが…)



中国、モンゴル、ロシアと抜けてきたときには、パスポートコントロールもやりました。



これもまた、「旅をしている」ことを感じさせてくれる儀式です。



20年くらい前に旅人をやっていた知り合いが言うには

「今はヨーロッパもシェンゲン協定で自由に移動できるし、中国もモンゴルも短期滞在ならビザは要らない。本当に便利になった」と。


確かに、僕も今までそう思ってはいましたが、


ロシアに来て思うのは、「いやいや、不便で行きづらいからこそ、価値は高まるんだ」ということ。



正直、シェンゲン協定内の国は移動したことありますが、パスポートコントロールもないし、本当に国境越えているのか?と全く実感が湧きません。



でもロシアに来て、ビザもパスポートに貼り付けて、深夜・早朝の国境の駅でパスポートを見せたり書類を記入したり、パスポートにスタンプを押してもらったり。



こういうことをするからこそ、「ああ、旅をしているんだな」と実感できています。



もし仮に、中国、モンゴル、ロシアと、ビザも不要、国境審査もなく旅が出来れば、その価値は半減とは言わないまでも、30%は減ってしまうでしょう。



それくらい、少し高いハードルを越えて旅をすることって、自分にとっては味わい深いし価値が高いものです。



そもそも、わざわざビザ取ってまでロシアに行きたいと思う人がどれだけいるか。



そんな面倒臭いことするなら、もっと簡単に行ける国に行くわ…という人が大半でしょう。



しかし、天邪鬼の自分は違うわけでした(笑)



今回の旅で、ロシアハマってしまいましたね。今度はウラジボストークからハバロフスク、チタ、クラスノヤルスク、ノボシビルスク、オムスク、エカテリンブルクで滞在して、サンクトペテルブルクまで行ってみようかなあ。それか、北京から哈爾浜・満州里経由で西に向かうのもいいし…。








2016年7月11日月曜日

手軽にアウトプットを続ける方法



僕はブログを延々と書き続けていますが、こういうことをしようにもどうやったらいいか分からない、何を書いたらいいか分からない、という人は多いと思います。


そういう場合、まずはAmazonで本のレビューを書いてみましょう。



読んでどういうことを考えたか、印象に残った言葉、この部分は相容れなかった、等。


自分が読んだ本、という対象があるわけなので、それについて、最初は100字でもいいからまとめればいいわけです。


それを続けていけば、今度はブログを作って、そこでもブックレビューをするのもいいし、世間を賑わわせているニュースに対する意見を述べてもいい。



コンテンツは無限に転がっているので、それらに対する考えや意見を最初はまとめていきましょう。



それを続けていけば、自分でコンテンツも書けるようになるはずです。



学生であれば、図書館で本を借りてそれをレビューに書いてもいいと思います。



案外、ネタなんてごろごろあるし、手軽に始められますよ。




2016年7月10日日曜日

【お知らせ】電子書籍を出版しました

こんにちは。



今回はお知らせです。



今月初めに、電子書籍を出版しました。




今まで、あまり公にはしていなかったんですが


僕の今の主な仕事(そして収入源)は、「特許翻訳」です。



2013年に自営業で当面の間やっていこうと思っていろいろやっていくうちに、「そろそろ自分の道を決めないと」と思った。


それまで、いろいろと翻訳の仕事はやっていましたが、それほど条件が良いわけでもなく。


そこで、いろいろと調べて特許翻訳を仕事の軸にしよう、と決めたわけです。




この本では、僕が特許翻訳者になるまでの軌跡をまとめました。



今回はっきりとお伝えしたいことがあるんですが、それは2つあります。



一つ目。



なんだかんだ言って、お金があると人生楽です。


これは独立の手前、師の1人(僕には師が沢山いるのです…)が教えてくれた言葉なんですが、今ある程度稼げるようになって、本当に肌感覚で、そう思います。



お金(厳密には可処分所得)が多いと、人生楽です。


例えば、通勤電車に詰め込まれるのが嫌なら、特急列車や座席指定のライナーに乗ることができる。


旅行の時に送迎を付けたりチャーターを申し込んで、移動の自由度が増える(1人でローカルバスに乗って…というのも楽しいですが、トラブル率は増加します)。


それに、最悪勤めている職場がダメになっても、自分で月5万円でもマネタイズする力があれば、なんとかなる。



そう、お金で解決できることが世の中多いんですよ。


これは、自分が稼げるようになって思いました。


読みたい本も読めるし、行きたいところにも行ける。食べたい物が食べれる。


なので、起業家や自営業はもちろんのこと、今は会社員であれ学生であれ、「マネタイズ力」を付けておくのは、非常に重要です。



結局、お金がある、そしてある程度時間もある、という状態になると、精神的余裕度が天地の差ほど違いますから。


別に、この本を買えというわけじゃありませんが、「マネタイズ力を付けよう」というのは、稼げるようになった僕が伝えたい一番のメッセージです。



二つ目。


こちらは若干セールスが入っていますが(笑)、


この本で、魔法は紹介していません。


むしろ、びっくりするくらいに地道な練習方法を公開しています。



僕が今、ゼロから特許翻訳者になるとすれば、この本に書いた方法をトレースして、立ち上げます。


それくらいに再現性が高い。自分で言うのもなんですが、それくらいの自負があります。



なので、もし
・自分の今後にいささかの不安がある
・平日夜や土日は暇なので何か打ち込むものが欲しい
・知財系の仕事に興味がある


と言う人は、特許翻訳を「自分の片腕」にしてみてはどうでしょうか。



昼間の仕事とは別の、片腕。

学生であれば、奨学金返済のために、あるいは家賃を払うための片腕。




世の中、お金があれば便利なことが非常に多い。

そして世の中、おとぎ話のような魔法はない。



そういう思いを、この本に込めました。




特に、僕の世代の人には是非手にとって頂きたいです。



人生に鋳型は似合いません。


かといって、鋳型があることすら知らなければ、それはただの愚か者です。



鋳型があることを知った上で
その鋳型を離れる。



このブログのタイトル「自由形の掟」もそうですが、


そういう意味を込めているのです。



自分の片腕を磨きましょう、強化しましょう。




そして、自由になりましょう。



まずはお金から自由になる。


そして、自分の過去からも自由になる。



その自由を手に入れるために、まずは型を覚えましょう。








2016年7月1日金曜日

メールマガジン始動のお知らせ



今日から2016年も後半戦。



というわけで(?)、兼ねてからこのブログでもちらちら書いていた「新企画」を始動させようと思います。



メールマガジンを、始めました。


http://tatsuyayabuuchi.blogspot.jp/p/blog-page_1.html



本当は「公式メールマガジン」と行きたいところですが、そこまで余裕もないので(苦笑)、



「フリーランスがポーランドワーホリ実践記」というタイトルで、コンテンツをライブ配信していきます。




ブログはある程度蓄積ができてきましたのでね。



これからはもう少し、クローズなコミュニティも形成していこうかと思います。



ということですので、こちらも登録よろしくお願いします。



↓以下のフォームからでも登録可能です↓

お名前  
メールアドレス

継続は力なり



最近、こちらのブログの更新はめっきり減りましたが、


アクセスはむしろ右肩上がり傾向にあります。




安定的に読まれる記事が複数あるのが大きいですね。もちろん、年度やシーズンによっても変動がありますが、10種類前後の記事でほぼ安定したアクセスを稼げている状況です。


(といっても、まだまだアルファブロガーの足元にも及びませんけど)




記事の数も1100超えて、ようやく継続してきたことが結果に出つつあります。まあ、本当はもっときちんとやれば、10倍くらいの結果にはなっていると思うんですがw



このブログを始めたのが2012年だったので、丸4年。きちんとやれば、1年くらいで結果は出るでしょうね…。



このブログを読んで頂いている方の中にも、ネットビジネスとかブログ飯に興味はある人はいると思いますが、僕なんて相手にせず、いけはやさんとか和佐さんとか、本当のプロをメンターにして下さいね。